【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
婚約
双子の運動会には、約束通り永真さんが早朝から並び、席取りをしてくれた。
伊原家はというと、朝から私がお弁当を作り、母は双子の支度に父の外出準備にと大忙しだった。
正直なところ、席取りなんて絶対に無理だったので、永真さんの参加はとても有難かった。
準備を終え、小学校に着くと、敬老席の横という、ディレクターズチェアを置くには最も邪魔にならない場所を確保してくれていた。
本当に良く気が利く人だ。
父は、真新しいチェアに座らせてもらい、快適に観覧することが出来た。
双子の徒競走の撮影はもちろんのこと、永真さんは保護者男子の綱引きにも参加し、大活躍の様子を見せた。
「弁当……んぐっ、どれも……美味いですね」
早朝から並んでくれた永真さんは、どうやら相当お腹が空いていたようで、双子に負けない勢いで食べている。
「えいしん先生、このフライドチキンうまいんだよ!」
「この肉巻きもうまいんだ!」
双子が永真さんの両横を陣取り、おかずのオススメをしている。
「これ全部、朝から叶恋が作ってくれたんですよ。
私は果物をむいただけ。
叶恋は昔から料理が上手で」
母がなんだか私の自慢を始めた。
「小学校の時に特訓したんです。
亡くなった母……叶恋の祖母の指導でね。
この子、左利きだったんですけど、どうしても右手で包丁を持たないといけなくなって。
まだ小さくて、利き手でさえ包丁を持つのが大変だったのに、反対側の手でですよ。
見てるだけでヒヤヒヤしましたよ」
「お、お母さん! それはもう話したことがあるの」
「あら、じゃあ『クッキングアイドル』のことも?」
ぎゃっ! なんでそれを言うのよ!
「クッキングアイドル……」
母がアイドルなんて言うものだから、永真さんが不審な顔をしている。
子役をしていたのはずっと昔のこと。
もちろん言うつもりはなかった。
永真さんは私より5つ年上だから、『クッキングアイドルかれん』を知っている世代とは違う。
だから一生隠し通せると思っていた。
バレたかしら……。
でも『クッキングアイドルかれん』なんて知らなわよね?
「こんにちは! 伊原さん、すっごくお元気になられましたね」
ヒヤヒヤしながらこの事態をどうしようかと思っていた所へ、お客さんが現れた。
伊原家はというと、朝から私がお弁当を作り、母は双子の支度に父の外出準備にと大忙しだった。
正直なところ、席取りなんて絶対に無理だったので、永真さんの参加はとても有難かった。
準備を終え、小学校に着くと、敬老席の横という、ディレクターズチェアを置くには最も邪魔にならない場所を確保してくれていた。
本当に良く気が利く人だ。
父は、真新しいチェアに座らせてもらい、快適に観覧することが出来た。
双子の徒競走の撮影はもちろんのこと、永真さんは保護者男子の綱引きにも参加し、大活躍の様子を見せた。
「弁当……んぐっ、どれも……美味いですね」
早朝から並んでくれた永真さんは、どうやら相当お腹が空いていたようで、双子に負けない勢いで食べている。
「えいしん先生、このフライドチキンうまいんだよ!」
「この肉巻きもうまいんだ!」
双子が永真さんの両横を陣取り、おかずのオススメをしている。
「これ全部、朝から叶恋が作ってくれたんですよ。
私は果物をむいただけ。
叶恋は昔から料理が上手で」
母がなんだか私の自慢を始めた。
「小学校の時に特訓したんです。
亡くなった母……叶恋の祖母の指導でね。
この子、左利きだったんですけど、どうしても右手で包丁を持たないといけなくなって。
まだ小さくて、利き手でさえ包丁を持つのが大変だったのに、反対側の手でですよ。
見てるだけでヒヤヒヤしましたよ」
「お、お母さん! それはもう話したことがあるの」
「あら、じゃあ『クッキングアイドル』のことも?」
ぎゃっ! なんでそれを言うのよ!
「クッキングアイドル……」
母がアイドルなんて言うものだから、永真さんが不審な顔をしている。
子役をしていたのはずっと昔のこと。
もちろん言うつもりはなかった。
永真さんは私より5つ年上だから、『クッキングアイドルかれん』を知っている世代とは違う。
だから一生隠し通せると思っていた。
バレたかしら……。
でも『クッキングアイドルかれん』なんて知らなわよね?
「こんにちは! 伊原さん、すっごくお元気になられましたね」
ヒヤヒヤしながらこの事態をどうしようかと思っていた所へ、お客さんが現れた。