【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「ああ、あれ? あれは本当に牽制してたの」

「はい?」

「だって、永真はずっと私を想っていたはずなのに、いつの間にか可愛い女の子にしっぽを振ってるんだもの。
しかも私よりうんと若くてさー。
ムカつくじゃない?」

 でた、本音! 
 やっぱり悪女じゃない〜、この人!

「でも、USパークで会った時に思ったの。
ああ、永真本気なんだ……って。
相手の家族をパークに連れていくなんて、本気じゃなきゃ出来ないわよ。
だから今はちゃんと幸せになってもらいたいって思ってるのよ。
……これでもね」

「京香さん……」

 こうやって話してみたら、全く裏表のない人だったんだと気づく。永真さんが好きになったのはきっとこんなところなんだろう。でも、何も隠さず言いたいことを言っちゃうからこそ、厄介なのよね。周りは振り回されるんだわ。

「それでね、ここでこうやって話しているのには、義母の圧もあるのよ」

「へ? ……お母様の、圧?」

「ええ。家族になる前に、ちゃんと話しておきなさいって」

「……何をですか?」

 元カレの話? 弟としか思ってなかったってこと?

「決まってるじゃない。
私と永真が関係していないってことよ」

 関係……?
 え、それって……

「期間としては1ヶ月ほど付き合っていたことになっているけど、私たち、キスだけだから。
だから誤解しないでね。
叶恋ちゃんとは姉妹じゃないから」

「し、しま……っ!」

「もちろん、これからは義姉妹になるんだけどね。
義母は知ってるの、私と永真のこと。
それでも私を嫁だと認めてくれた懐の深い人なのよ、あの人は。
その義母が、私の口から『関係してない』って伝えなさいって言うから。
これから家族になるのに、そこにわただかまりがあってはいけないからって」

「……」

 たしかに、元カノが義姉になるってことは、そこを乗り越えないといけないと思っていた。

 誰にでも過去はある。それがたまたま家族になる人の中にいるだけだ。だから我慢しなきゃって思ってた。

 そっか……なかったんだ……。
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