【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「そう……そうだったのね。
お祖母様のことは残念だったけど、叶恋ちゃんにこんな素敵な家族が増えて良かったわ」
「はい。双子の誕生ですっごく癒されたんです」
ホッ 聞こえなかったようだな。
俺は叶恋の番組が終わった後、もちろん探した。
だが見つからなかったのはそういう事情があったからなのかと、今更ながら納得する。
「まあ、そういうわけで、子供の芸能活動は一度通った道なんです。
家内も私も……あぁ、叶恋もですね。
だからまたその道に戻りたいとは思わないんですよ。
双子が大きくなって、本人たちの意思で希望するなら別ですが……」
その後、芸能活動の話はそこで終了し、顔合わせの会はお開きとなった。
次に両家が集まるのは籍を入れてからになるだろう。
具体的には大晦日の前日。
年末のギリギリに、このホテルのチャペルで挙式の予約が取れたからだ。
ホテルを後にし、俺は伊原家の車に乗って叶恋たちを自宅まで送り届けた。
俺の車は伊原家の駐車スペースに置かせてもらっている。
車を入れ替えていると、普段着に着替えた叶恋が家から出てきた。
「永真さん、メジャーを持ってきたんです。
引越しの準備もあるし、私の荷物の置き場所とか、家具を増やすべきか見に行きたいんですけど……」
「今から来るのか?」
「あ……これからなにか予定がありましたか?」
「いやっ! 何もない。よし、行こう」
まさか叶恋と二人きりの時間が過ごせるとは思っていなかった俺は、思わぬプレゼントをもらった気分だった。
俺は叶恋を車に乗せ、早々に伊原家をあとにした。
◇ ◇ ◇
お祖母様のことは残念だったけど、叶恋ちゃんにこんな素敵な家族が増えて良かったわ」
「はい。双子の誕生ですっごく癒されたんです」
ホッ 聞こえなかったようだな。
俺は叶恋の番組が終わった後、もちろん探した。
だが見つからなかったのはそういう事情があったからなのかと、今更ながら納得する。
「まあ、そういうわけで、子供の芸能活動は一度通った道なんです。
家内も私も……あぁ、叶恋もですね。
だからまたその道に戻りたいとは思わないんですよ。
双子が大きくなって、本人たちの意思で希望するなら別ですが……」
その後、芸能活動の話はそこで終了し、顔合わせの会はお開きとなった。
次に両家が集まるのは籍を入れてからになるだろう。
具体的には大晦日の前日。
年末のギリギリに、このホテルのチャペルで挙式の予約が取れたからだ。
ホテルを後にし、俺は伊原家の車に乗って叶恋たちを自宅まで送り届けた。
俺の車は伊原家の駐車スペースに置かせてもらっている。
車を入れ替えていると、普段着に着替えた叶恋が家から出てきた。
「永真さん、メジャーを持ってきたんです。
引越しの準備もあるし、私の荷物の置き場所とか、家具を増やすべきか見に行きたいんですけど……」
「今から来るのか?」
「あ……これからなにか予定がありましたか?」
「いやっ! 何もない。よし、行こう」
まさか叶恋と二人きりの時間が過ごせるとは思っていなかった俺は、思わぬプレゼントをもらった気分だった。
俺は叶恋を車に乗せ、早々に伊原家をあとにした。
◇ ◇ ◇