【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「教授と汐宮先生からお話を聞いたわ。
学会であなたが西島に絡まれたことを。
それと……その絡まれた時のボイスレコーダーも聞かせていただいたの」

「ボイスレコーダー?」

 そんなのあったんだ……。
 永真さんが私たちに近づいた時に録ってたのね。

「こんな言い方していいのかわからないんだけど、不幸中の幸いだと思った。
ボイスレコーダーの中身を聞く限り、あなたは餌食になっていないとわかったから」

「あ……はい、その女の子達のようなことはありませんでした」

「ええ……でも、もちろん西島があなたを狙っていたのは事実。
人間性を疑うようなあの酷い内容。
あなたが迷惑をかけられたのは否定しない。
本当に申し訳ないと思ってます」

「いえ! 松浦課長のせいじゃありませんから!」

 そうだ。上司が頭を下げて謝罪するのも本来ならおかしい。陽介個人の卑劣な犯行なんだから。

「ハァ……でも、気づけなかったのよ。
私、上辺だけ見てたのね……」

 それは耳が痛い話だ。
 陽介に騙されていたのは私も同じ。
 つくづく外面が良かったんだわ、あの人。

「それで、懲戒解雇というのは……?」

 そこからさらに、イシハラ内部では大変な騒ぎになったらしい――。

 理沙と関係を続けていた陽介は、うっかりスマホを置いたままシャワーを浴びている間に、理沙に中身を見られたらしい。

 理沙は陽介の写真フォルダに収められた数々の盗撮動画を見つけ、激怒し、全てを自分のスマホに転送した。

そして激昂した理沙は、会社のロビーで陽介に糾弾したのだ。

「なんと……」

「理沙さんも、空気を読まなくて少し問題がある人だったけど、この件に関しては……」

「グッジョブ?」

「そうよねぇ……。
本人はキレて錯乱状態でやった事なんだろうけど、おかげで全貌が明るみに出たわ。
データもゲットできたし。
その後は副社長の指示で警察に任せることにしたの」
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