【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
 陽介は処女と思しき女性ばかりを選んで、付き合っては捨てるということを繰り返していた。

 それはイシハラの内部に限らず、合コンで知り合った女性も含まれていたらしく、入社してからおそらく20人以上が、彼の餌食になってきたらしい。

 同期の男性社員の中では有名な話だったそうだ。

「しかも……動画を撮ってたの」

「動画……。え、それってまさか――」

「ええ、おそらく餌食になったほぼ全員の女の子とのベッドでの一部始終を撮ってたの」

 信じられない! 
 どうしてそんな酷いことが出来るの?

「もちろん誰も動画のことは知らなかった。
その女の子たちもね。
でも、たまたま西島が、その撮った動画をニヤニヤと見ている様子を、男性社員の1人が後ろから動画に収めたの。
拡大すれば、西島が見ていたのは、情事の動画だと私にもわかったわ」

「……っ!」

「盗撮で間違いないと判断した。
ただ、その時点で私たちが把握できているのは、その動画のみだった。
絶対に余罪があるだろうと思われたけど、下手に問い詰めて証拠を隠されてしまったら、その後罪に問えなくなる可能性もある。
全てを暴き出すにはどうしたらいいか、何度も考えたわ。
ちょうどその頃だったの、誠仁館医科大学の脳外科のドクターからお電話をいただいたのは」

 脳外科のドクター? 
 それって永真さん?

「『医局秘書がイシハラの西島に迷惑行為を受けている』という内容だった。
血の気が引いたわよ。
まさか大学病院の秘書にまで手を出していたなんて……。
慌てて部長と私で伺ったの」

 聞いてない。それに伺ったと言うなら、医局で会っているはずだ。

「伊原さんはきっと帰った後だったと思う。遅かったから。
それに……教授室に通されたの」
「え」

 ひえっ……永真さん、叔父さんの権力を――! 
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