【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「また来たんですか? 一体どうしたんです」
菜々ちゃんが半ば呆れているかのように対応している。
「また来たとはなんだ。ここには俺のデスクもちゃんとある」
「物置になっていますけどね、先生のデスク。いいかげん郵便物を片付けてもらわないと」
「それで大丈夫なんだな?」
菜々ちゃんの言葉を遮り、あくまでも私に話しかける汐宮先生。
「え? 無視? 私のことは無視ですか!?」
「……お前は会うたびに口うるさいな。ちょっとこいつ、借りていいか?」
「また叶恋ちゃんですか!
季節は秋。なのに誰かさんの体内時計ではなぜか春になっているみたいですね。
仕方がない、貸してあげましょう」
何勝手な話をしているの、この二人……。
ニヤニヤと笑う菜々ちゃんに送り出され、今日もまた階段室へいくことに。
「あのっ、昨日は送ってくださってありがとうございました」
「大丈夫だったのか?」
「はい。おかげさまで」
「アルコールが残っているような感じはないな……。
どうやらすぐ酔っぱらうが残らない体質みたいだな」
さりげなく脈を見る汐宮先生にドキッとする。
お医者さんとしては当たり前の行為なのに、私ったら何をドキドキしているのよ!
「も、元々そこまで弱くはないんです。最近全く飲んでいなかったから回りが早かったみたいで……」
「ああ……そうか……」
どうやらうちの家庭事情をほとんど知ってしまったようだ。今朝母から少し聞いてはいたけど。
母の話では、父の病状や車の相談にものってくださったらしい。
「父がとても喜んでいました。いろいろ教えてくださってありがとうございました」
「いや、脳外科医なら誰でも知っていることだから」
それでもプライベートな時間での相談だ。
心遣いに有難いと思う。
「司馬と生馬にサッカーの練習をする約束をしたんだ」
「へ? サッカー!?」
「第3日曜日は当直が入っているから、それ以外で調整つけといてくれ。今のところ9月の祝日も空いている」
「はぁ……」
一体いつの間にそんな話を?
お母さん、何も言ってなかったじゃない!
「あの……父だけじゃなく、双子のことまですみません。あ、私のこともです。二度も酔っぱらいのフォローをしていただいて申し訳ないです」
「ああ、そのことだけど、約束したよな?」
そうだ! スイーツのお店を案内するんだった!
「今週の日曜日、空いてるか?」
「今週の日曜……」
なにかあった気がする。なんだっけ?
あれ、どうして思い出せないんだろう。
気のせいかな。
「……何もなさそうだな。なら付き合ってほしいところがある」
行きたいお店があったのか!
良かったー、汐宮先生から提案してくれて。
「はい! もちろんおつきあいします!」
「あ、ああ……」
「……? なにか?」
「いや、10時に車で迎えに行くから」
「え、それは申し分けないです。場所を伺えば自力で……」
「車で5分もかからない距離だと知っているだろう?」
「…………わかりました」
◇ ◇ ◇
菜々ちゃんが半ば呆れているかのように対応している。
「また来たとはなんだ。ここには俺のデスクもちゃんとある」
「物置になっていますけどね、先生のデスク。いいかげん郵便物を片付けてもらわないと」
「それで大丈夫なんだな?」
菜々ちゃんの言葉を遮り、あくまでも私に話しかける汐宮先生。
「え? 無視? 私のことは無視ですか!?」
「……お前は会うたびに口うるさいな。ちょっとこいつ、借りていいか?」
「また叶恋ちゃんですか!
季節は秋。なのに誰かさんの体内時計ではなぜか春になっているみたいですね。
仕方がない、貸してあげましょう」
何勝手な話をしているの、この二人……。
ニヤニヤと笑う菜々ちゃんに送り出され、今日もまた階段室へいくことに。
「あのっ、昨日は送ってくださってありがとうございました」
「大丈夫だったのか?」
「はい。おかげさまで」
「アルコールが残っているような感じはないな……。
どうやらすぐ酔っぱらうが残らない体質みたいだな」
さりげなく脈を見る汐宮先生にドキッとする。
お医者さんとしては当たり前の行為なのに、私ったら何をドキドキしているのよ!
「も、元々そこまで弱くはないんです。最近全く飲んでいなかったから回りが早かったみたいで……」
「ああ……そうか……」
どうやらうちの家庭事情をほとんど知ってしまったようだ。今朝母から少し聞いてはいたけど。
母の話では、父の病状や車の相談にものってくださったらしい。
「父がとても喜んでいました。いろいろ教えてくださってありがとうございました」
「いや、脳外科医なら誰でも知っていることだから」
それでもプライベートな時間での相談だ。
心遣いに有難いと思う。
「司馬と生馬にサッカーの練習をする約束をしたんだ」
「へ? サッカー!?」
「第3日曜日は当直が入っているから、それ以外で調整つけといてくれ。今のところ9月の祝日も空いている」
「はぁ……」
一体いつの間にそんな話を?
お母さん、何も言ってなかったじゃない!
「あの……父だけじゃなく、双子のことまですみません。あ、私のこともです。二度も酔っぱらいのフォローをしていただいて申し訳ないです」
「ああ、そのことだけど、約束したよな?」
そうだ! スイーツのお店を案内するんだった!
「今週の日曜日、空いてるか?」
「今週の日曜……」
なにかあった気がする。なんだっけ?
あれ、どうして思い出せないんだろう。
気のせいかな。
「……何もなさそうだな。なら付き合ってほしいところがある」
行きたいお店があったのか!
良かったー、汐宮先生から提案してくれて。
「はい! もちろんおつきあいします!」
「あ、ああ……」
「……? なにか?」
「いや、10時に車で迎えに行くから」
「え、それは申し分けないです。場所を伺えば自力で……」
「車で5分もかからない距離だと知っているだろう?」
「…………わかりました」
◇ ◇ ◇