【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「当然のことだけど、外来では診察が始まるし、病棟ではもっと前から回診が始まっているの。
予定しているオペは大体10時くらいからかな。
ドクターはほぼ全員と言っていいくらい、病院の方にいるわ」
なるほど。ここは大学病院の真横に建つ研究棟だ。この研究棟には各科の医局があるらしいけど、ここに患者さんはいないものね。先生方は皆病院で勤務についているのだろう。
菜々ちゃんは歩きながら、空っぽになった医局内を案内してくれた。
そこは私が勤めていた医療機器メーカーのオフィスと違い、医局員一人一人に与えられた学習机のようなデスクがズラッと並んでいた。
特筆すべきなのは各デスクの本棚だ。
本棚が天井まであり、それが仕切りとなって大きなフロアを区切る役割をしている。
「横並びに7つの机があって、それが7列。
奥の方はごちゃごちゃと分けられて、実験室まで机が続いているわ。
医局秘書の机を合わせてざっと50の机があるの。
こっちの手前が講師の列。次が助教の列。奥が専攻医や大学院生の列ね。
現在の医局員は41名だから、使われていないところもあるんだけどね」
「本棚の圧迫感が……」
「一般的なオフィスっていうのが私にはわからないんだけど、ここはドクターの休憩室兼研究室みたいなところなの。私物を置いて、ここで論文を書いたり、お昼ご飯を食べたり、仮眠したり」
言われた通り見てみると、それぞれの机の上には所狭しと私物が置かれ、本棚にはぎっしりと医学書が置かれているところもあれば、枕を飾ってある机もある。あれは仮眠の時取り出すのかしら……。
「仮眠室は病棟にもあるけど、実験室の隣にもあるの。
脳外は夜中の緊急オペも多いから仮眠室は必須。
今も寝ている先生がいるから、後で案内するね。
あ、それから若い先生が食べかけのカップ麺を放置してたり、飲みかけのペットボトルが散乱していたりするの。そういうの見かけたら注意して!
放置してたら大惨事になるから」
そう言って、菜々ちゃんは思いっきり顔をしかめた。
予定しているオペは大体10時くらいからかな。
ドクターはほぼ全員と言っていいくらい、病院の方にいるわ」
なるほど。ここは大学病院の真横に建つ研究棟だ。この研究棟には各科の医局があるらしいけど、ここに患者さんはいないものね。先生方は皆病院で勤務についているのだろう。
菜々ちゃんは歩きながら、空っぽになった医局内を案内してくれた。
そこは私が勤めていた医療機器メーカーのオフィスと違い、医局員一人一人に与えられた学習机のようなデスクがズラッと並んでいた。
特筆すべきなのは各デスクの本棚だ。
本棚が天井まであり、それが仕切りとなって大きなフロアを区切る役割をしている。
「横並びに7つの机があって、それが7列。
奥の方はごちゃごちゃと分けられて、実験室まで机が続いているわ。
医局秘書の机を合わせてざっと50の机があるの。
こっちの手前が講師の列。次が助教の列。奥が専攻医や大学院生の列ね。
現在の医局員は41名だから、使われていないところもあるんだけどね」
「本棚の圧迫感が……」
「一般的なオフィスっていうのが私にはわからないんだけど、ここはドクターの休憩室兼研究室みたいなところなの。私物を置いて、ここで論文を書いたり、お昼ご飯を食べたり、仮眠したり」
言われた通り見てみると、それぞれの机の上には所狭しと私物が置かれ、本棚にはぎっしりと医学書が置かれているところもあれば、枕を飾ってある机もある。あれは仮眠の時取り出すのかしら……。
「仮眠室は病棟にもあるけど、実験室の隣にもあるの。
脳外は夜中の緊急オペも多いから仮眠室は必須。
今も寝ている先生がいるから、後で案内するね。
あ、それから若い先生が食べかけのカップ麺を放置してたり、飲みかけのペットボトルが散乱していたりするの。そういうの見かけたら注意して!
放置してたら大惨事になるから」
そう言って、菜々ちゃんは思いっきり顔をしかめた。