青い月は、春を待つ。

葵月くんは、一度わたしを離すと、わたしを真っ直ぐに見つめ「理来さん、キスしてもいいですか?」と訊いてきた。

わたしはその言葉に照れ笑いをすると、「それ、いちいち訊くの?」と言った。

「じゃあ、訊かなくてもしていいってことですね?」
「、、、いいよ。」

すると、葵月くんは顔を傾けながらそっと唇を寄せ、わたしはそれに応えるように顔を上げた。

背の高い葵月くんとの初めてのキス。

最初は短く。
そして、顔を見合わせてお互い微笑むと、次はお互いの気持ちを確かめるように深く長い口付けを交わした。

唇が離れると、再びわたしを抱きしめる葵月くん。

わたしは葵月くんの腰に腕を回した。

「今日はキスだけで我慢しますけど、次来た時は、キスだけじゃ終わりませんからね?」
「そうなの?」
「俺だって、男ですから。」

わたしたちは初々しい雰囲気の中、何と無くまだ恥ずかしさが残る会話をし、抱きしめてキスをして、を繰り返していた。

わたしにとっては、きっと葵月くんが最後の人になるだろう。

もうあんな惨めな姿を見せれる人は、他に居ない。
あんな姿を見ても好きでいてくれる人は他に現れない。

わたしはそう思いながら、葵月くんとの時間に幸せを噛み締めていた。




―END―


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