本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
身体をなぞる大きな手から獅音の優しさが伝わって来るようだ。

私の事なんて、なんとも思ってるはずなんてないのに。

こんな風に人に触れられた事がない私は、なんだか余計にドキドキしてしまう。

今までの人はもっとこう…欲まみれで…
雑だった。

やっぱりギターやピアノを弾けるから、器用なのか?

「亜里沙…やめる?」

その時急に獅音が少し困ったような顔をして私に話しかけてきた。

「え?」

「ここ、シワ寄ってる」

そう言って眉間にキスが落とされ、いつの間にかシワが寄っていた事に気づかされた。

「あ、違うの…。やめ、ないで…」

「そ? それじゃ続けるよ?」

そう言ってまた唇を食べられキスに翻弄される。

本当に…
今までのはなんだったのって思う程、蕩けそうなキスだ。

身体も震えなど全くない。


< 115 / 307 >

この作品をシェア

pagetop