本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する


「猫かぁーい!」

ZENはのけぞるように叫んだ。

「驚かせんなよー」

TOWAはスティックをクルクル回しながら獅音を見る。

「はい、獅音は猫ちゃん拾ったそうでーす」

そして雷が拍手を送る。

「一目惚れしちゃったのよ」

獅音はそう言って目を細めて笑った。

"キャー! いやー!"
"猫になりたーい!"
"私の事も拾ってー!"

そんな声が飛び交うも会場は拍手に包まれる。

「可愛がっちゃうよ俺」

そう言って獅音はまたカメラ目線を送る。

ゾクっと全身に鳥肌が立ち、私はただジッとモニター越しに睨むことしか出来なかった。

そしてそこから話題は自然に変わり、上手にトークを回しながら次の曲へと進んだ。

なんか悔しい。
私だけ動揺してるみたいで。

だってさっきから心臓がバクバクとものすごい音を立ててるのが自分でもわかる。

なんなのよ。
からかってんの?

私は拾われてもないし、猫でもない。



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