本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「嫌な子。誰のおかげでそんな容姿に恵まれたと思ってるの?」

確かに私は母親似だ。

今はそれが無性に腹が立つ。

今だに若々しくて綺麗だけど…

こんな人と似ている事が嫌だと思う日が来るとは。

男を、というか人を金のなる木とでも思ってるんじゃないの?

「とにかくお金はありません」

「旦那に言えばいくらでもくれるでしょ?」

「は? 無理に決まってるでしょ!」

「ならいいわ。直接旦那に頼みに行くから。嫁の実の母親に手も差し出さないような男なの?」

そりゃ母親が困ってると言えば獅音はきっと理由も聞かずに手を差し伸べるかもしれない。

でも絶対に嫌だ。
こんな人が母親だっただなんて知られたくない。

「獅音を巻き込まないでよ!」

「どうせ、借金だって肩替わりしてもらったんでしょう?」

私はギクっと肩をすぼめる。

「ほら。あたなだってしてる事は私と同じじゃない」

そう言って私を見下す。
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