黒澤くんの一途な愛


「黒澤とは偽のカップルだったのなら、お前にとって何でもないあいつが学園のトップでいるよりも、知り合いの俺がトップのほうが良いだろう」

「……っ!」


気づいたら私は、横峯にソファに押し倒されていた。


横峯の顔が真上から迫ってきて、鼓動が跳ね上がる。


「ふはっ。その怯えたような目、いいなぁ」


息がかかるくらい間近で見下ろされ、ゾクリとする。


「俺が黒澤からトップの座を取り戻したら、お前を俺の女にしてやるよ」


いっ、嫌! 横峯の彼女だなんて、冗談じゃない。


胸の奥から言いようのない嫌悪感が込み上げ、私はふるふると首を必死に横に振る。


横峯の女になるとか、絶対に嫌!


私の目には、涙が浮かぶ。

< 144 / 164 >

この作品をシェア

pagetop