黒澤くんの一途な愛
「黒澤とは偽のカップルだったのなら、お前にとって何でもないあいつが学園のトップでいるよりも、知り合いの俺がトップのほうが良いだろう」
「……っ!」
気づいたら私は、横峯にソファに押し倒されていた。
横峯の顔が真上から迫ってきて、鼓動が跳ね上がる。
「ふはっ。その怯えたような目、いいなぁ」
息がかかるくらい間近で見下ろされ、ゾクリとする。
「俺が黒澤からトップの座を取り戻したら、お前を俺の女にしてやるよ」
いっ、嫌! 横峯の彼女だなんて、冗談じゃない。
胸の奥から言いようのない嫌悪感が込み上げ、私はふるふると首を必死に横に振る。
横峯の女になるとか、絶対に嫌!
私の目には、涙が浮かぶ。