黒澤くんの一途な愛
「お前は昔から、顔だけは良いからな」
顎を指で持ち上げられ、横峯は妖しく微笑む。
「俺があいつの代わりにお前のことを、たくさん可愛がってやる」
身体がさあっと冷え、背中に嫌な汗が伝う。
「まずは手始めに、お前は俺のモノだって印をつけてやるよ」
横峯は私の顎に手を添えたまま、どんどんこちらに顔を近づけてくる。
嫌だ。印をつけるって、私……この人に何をされるの?
横峯になんて、指1本触れられたくないのに。
ずっと手足を縛られているせいで身動きが取れないし、顎も横峯の手でガッチリ固定されているからどうしようもできない。
まさに、絶対絶命。
そしてついに横峯の唇が、私の首筋に触れそうになったそのとき──。
横から人影が現れ、私は誰かに強い力で抱き寄せられた。