殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。
 するとレンデルは直球で、今回の事件のことを口に出してきた。まわりくどい言い方が嫌いな彼は早く本題に入りたいらしい。

「あ、はい。説明は歩きながら案内します。こちらです」

 そう言ってエリアスが自ら案内してくれた。『王族の家宝』が保存されているのは地下にある大きな金庫の中だった。二重扉になっており、厳重に警備されていた。
 出入り口も一つしかなく、隠れる場所などはない。

「この中には宝石が保管されています。それ以外にも、いくつかの貴重な宝石や肖像。お金などもここに。しかし盗まれたのは私の宝石のみ。中を荒らした痕跡もなくて、謎に包まれているのです」

 たしかに不思議だ。こんなに宝石やお金があれば、少しぐらい減っても気づかないだろう。なのに何故、他のモノは盗らずに『王族の家宝』だけ盗んだのだろうか?
 ただの物取りではないような気がする。

「どんな特徴の宝石なんですか?」

「私のはエメラルドです。と言っても他のエメラルドのような感じではなくて、光を当てると色が変化してきます。夕方の光だと赤色だったり、オレンジ色になったりします」

「へぇー不思議な構造ですね」

「それ以外にも持ち主だけが手に宝石が触れると光ります。宝石の種類もバラバラですし。それがを持つことを許された花嫁は国王の次に権限と権力を持つことが約束されます」

 エリアスの言葉に納得する。それは狙われるわけだと。
 貴重なだけではなく、国王と次になれるだけの力がある家宝なら泥棒が思わず手が出るほど欲しいだろう。

「他にその家宝を持っている人は?」

「実弟のオスカーと義理の弟であるレオネル。現在は妻であるミリア公爵夫人が持っておりますが。あと義理の母であるミライダ王太后陛下は父から贈られました」
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