姉の代わりにお見合いしろ? 私に拒否権はありません。でも、あこがれの人には絶対に内緒です
「言い争いは、そこまでにしよう。君たちの気持ちはわかったからね」
叶奈は譲と顔を見合わせる。なにがわかったのだろうと思っていたら、崇は信じられないことを言いだした。
「奈緒を迎えに行ってくる」
「えっ⁉」
「実は、奈緒はロサンゼルスの病院に入院しているんだ」
そう言うと、肩をすくめてみせた。
崇は早い時期に奈緒がどこにいるのかわかっていたが、どうしても話せなかったという。
「ど、どうして病院に? どこが悪いんですか?」
最初に声をあげたのは、麻子だった。
「じつは、奈緒は妊娠している」
崇が話す内容を聞いて、三人とも黙り込んでしまった。
「奈緒はこれまでの人生に疑問を感じたらしい」
自由を知って、それまで納得していたお見合いも結婚も受け入れられなくなってしまった。
周りからみれば迷惑な話かもしれないが、奈緒は生まれて初めて自分の意志ですべてを決めて行動したという。
お見合いの話は、奈緒が日本に帰らなったら琴子も諦めるだろうと考えていたようだ。
「見合いはともかく、帰国させようと社長が奈緒を迎えに行った」
出張の帰りに祖父が奈緒を迎えに行ったとは聞いていた。そのとき、妊娠がわかったという。