姉の代わりにお見合いしろ? 私に拒否権はありません。でも、あこがれの人には絶対に内緒です
「相手を聞いても答えない。それで社長が困ってしまって僕が呼ばれた」
崇が相手を聞き出そうとしても、奈緒は頑として口を開かなかった。
おまけに不正出血が始まって、入院することになったという。
琴子はショックを受けるだろうから話せないし、男たちだけではどうしていいか答えが出ない。
そのままずるずると日にちだけが過ぎてしまった。
これまでの話で、おそらく奈緒のお腹の子の父親は恭介だとわかったはずだ。
「すまない。私が奈緒のことを黙っていたせいで、こんなことになっていたとは」
崇がチラリと譲を見た。
「まさか湯浅君にまで迷惑をかけていたなんて」
叶奈と譲の間で視線をさまよわせている。
「で、ふたりは、その、どういう関係なのかな」
「崇さん、今は奈緒の話でしょう」
麻子が口を挟んできた。
「いや、気になるじゃないか」
「心配なのは、妊娠している奈緒のことでしょう」
琴子にどう話せばいいのか崇も困っていたようだが、相手が恭介なら話は違ってくる。
ただ恭介本人は、まだ奈緒の妊娠を知らない。