姉の代わりにお見合いしろ? 私に拒否権はありません。でも、あこがれの人には絶対に内緒です
しばらくまったりとカフェラテを堪能していたら、ドアが開いて主婦グループが賑やかに入ってきた。
そういえば、もう客は叶奈しかいないのにテーブル席が片付いていない。
入ってきた主婦たちも、どこに座ろうかと困惑した表情だ。
「いらっしゃいませ。すぐに片付けます」
カウンターの中から出てきた店主は、右足首から膝の下まで包帯でグルグル巻きになっている。
おまけに歩きにくそうだ。
それを見た叶奈は、とっさに動いていた。
「お手伝いさせてください」
こういった作業には慣れている。
店主の持っていたトレーとふきんを受け取ると、手早く食器を片付けてテーブルを拭く。
五人グループのようだったので、四人掛けのテーブルに椅子をひとつ追加した。
「お待たせしました」
主婦たちは店員だと思ったのか、叶奈に向かって口々に注文を口にする。
「ラテにしようかな」
「私はブラックにしよう」
「は、はい」
五人分を聞き取ってから、叶奈は店主に告げる。
「カフェラテみっつ、コーヒーふたつはミルクと砂糖なしでお願いします」
「り、了解」