姉の代わりにお見合いしろ? 私に拒否権はありません。でも、あこがれの人には絶対に内緒です


お互いに素性を隠していたが、初めてゆっくり話せたそうだ。踊ったりお酒を飲んだりして楽しかったと恭介は言う。
その夜のことは「察してくれ」と言われて、叶奈は赤面してしまった。

「だけど勤めていた病院で急に手術が決まって、その時は名乗れなかった」

自分が見合い相手だと告白できずに別れたのが間違いだったと、恭介は後悔していた。

「奈緒を見合いの席で驚かせてやろうと思っただけだったんだ」

それが逆にマイナスに働いてしまった。

次に奈緒に会った時、彼女は太腿のタトゥーを消すために患者として病院にやって来たという。

「僕の顔を見て、奈緒さんは顔色を変えたよ」

たまたま出会った男性と、一夜を過ごしたことを後悔していたとしか思えない。
奈緒は逃げるように恭介の前から去っていったそうだ。

恭介の帰国も遅れたため、見合いの日程がなかなか決まらなかった。
あれこれ調べたら、奈緒が帰国していないことも分かった。

「お互いの孫同士を結婚させるために、見合い相手を君にチェンジしたわけだ」



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