名も無き君へ捧ぐ
仕事帰りにスーパーに寄ると、バレンタインフェアのコーナーが出来ていた。
もうそんな時期になったのかと思いつつ、冬弥の顔が浮かぶ。
あいつも、チョコ欲しかったりするのかな？
ユーレイにバレンタインチョコ渡す人なんて、世界中探したっていないだろう。
誕生日のチョコケーキを美味しそうに頬張っていた姿を思い出す。
自分のケーキだけど、一緒に食べてくれたことがすごく嬉しかった。
むしろ私より食べていたくらいだ。
ユーレイのくせに、何であんな幸せそうに食べれるんだろう。
私は1つ、チョコを買い物カゴに入れた。
