【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
やっと休める……
お父さまはパチンと指を鳴らして魔法を解いた。
そして、「それでは、これで」と三人は去っていく。
残されたわたくしたちは、彼らがラウンジを出ていくのを見送ってから、一斉に息を吐いた。
「ごめん」
「……なにについての、謝罪でしょうか」
レグルスさまが肩をすくめて、ちょっとだけバツが悪そうに頬を人差し指でかく。
わたくしがじっと彼を見つめると、彼は深々とこちらに向かって頭を下げた。
「きみの意向を無視して、一騎打ちを申し込んだ」
「……それは、勝算があることなのでしょうか?」
そう問いかけると、レグルスさまは頭を上げてニヤリと口角を上げる。
正直、わたくしには彼の強さがわからない。
魔術師学科では騎士学科と合同訓練をしたことがないから……
ブレンさまは強いと話していたけれど、マティス殿下の実力だってかなりのもの……だと思う。
「大丈夫、必ず勝つから」
「……レグルスさまを信じますわ。自由にしてくださいね」
「もちろんさ。その前に……戻れるといいね」
本当にね。
曖昧に微笑みを浮かべると、「疲れただろう?」と気遣ってくれた。
みんなでラウンジをあとにして、レグルスさまが予約してくれた部屋に足を進める。
移動中、クロエが心配そうにわたくしを見ていることに気付いた。
そっと彼女に手を伸ばすと、がしっと手を掴んでくれた。伝わってくる彼女の体温に、なぜか心が満たされる。
レグルスさまとブレンさまが部屋まで案内してくれて、「ゆっくり休んで」と微笑む。こくりとうなずいて部屋に入った。
「わぁ……」
「素敵な部屋ですね」
白を基調にした部屋は清潔感があってとても心地良い。ところどころに飾られている色とりどりの花たちもとてもきれい。
そして、「それでは、これで」と三人は去っていく。
残されたわたくしたちは、彼らがラウンジを出ていくのを見送ってから、一斉に息を吐いた。
「ごめん」
「……なにについての、謝罪でしょうか」
レグルスさまが肩をすくめて、ちょっとだけバツが悪そうに頬を人差し指でかく。
わたくしがじっと彼を見つめると、彼は深々とこちらに向かって頭を下げた。
「きみの意向を無視して、一騎打ちを申し込んだ」
「……それは、勝算があることなのでしょうか?」
そう問いかけると、レグルスさまは頭を上げてニヤリと口角を上げる。
正直、わたくしには彼の強さがわからない。
魔術師学科では騎士学科と合同訓練をしたことがないから……
ブレンさまは強いと話していたけれど、マティス殿下の実力だってかなりのもの……だと思う。
「大丈夫、必ず勝つから」
「……レグルスさまを信じますわ。自由にしてくださいね」
「もちろんさ。その前に……戻れるといいね」
本当にね。
曖昧に微笑みを浮かべると、「疲れただろう?」と気遣ってくれた。
みんなでラウンジをあとにして、レグルスさまが予約してくれた部屋に足を進める。
移動中、クロエが心配そうにわたくしを見ていることに気付いた。
そっと彼女に手を伸ばすと、がしっと手を掴んでくれた。伝わってくる彼女の体温に、なぜか心が満たされる。
レグルスさまとブレンさまが部屋まで案内してくれて、「ゆっくり休んで」と微笑む。こくりとうなずいて部屋に入った。
「わぁ……」
「素敵な部屋ですね」
白を基調にした部屋は清潔感があってとても心地良い。ところどころに飾られている色とりどりの花たちもとてもきれい。