【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「わかりました」
「マーセル嬢の魔法が使えないことについても、わかるかもな」
「……だと、良いのですけれど……」
マーセルは今、おそらく必死になって勉強をしている。
昨日のディナーで、マーセルがいなかったのは……あの部屋に閉じ込められているからだろう。
わたくしはあの部屋に閉じ込められたくなくて、必死で勉強をしていたのよねぇ……
そう考えると、なんだかいろいろ複雑な気分だわ。
彼女が魔術師学科で、どれだけの成績を残せるのかは謎だけど……
「マーセルが魔法を使えなくなったのって、いつからなのかしら?」
「それまで普通に使えていたのに、急に使えなくなったら悪意ある誰かが……ってことも考えられますよね」
「あの、そのことについて、私……一つ、心当たりがあります」
クロエがおずおずと手を上げた。
どういうこと? と視線で問うわたくしに、彼女はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「入学後すぐに、花祭りがありましたよね。そして、五人の花姫の一人がマーセルさまでした」
ああ、確かにあったわね、花祭り。
いろいろな花を咲かせて、その花を愛でる祭り。
ただ、花を咲かせる魔法は難しいから、適任者がいなければならなかった。
今年は五人も花を咲かせる人たちがいたのよね。
……その花姫の一人が、マーセルだった……?
「マーセル嬢の魔法が使えないことについても、わかるかもな」
「……だと、良いのですけれど……」
マーセルは今、おそらく必死になって勉強をしている。
昨日のディナーで、マーセルがいなかったのは……あの部屋に閉じ込められているからだろう。
わたくしはあの部屋に閉じ込められたくなくて、必死で勉強をしていたのよねぇ……
そう考えると、なんだかいろいろ複雑な気分だわ。
彼女が魔術師学科で、どれだけの成績を残せるのかは謎だけど……
「マーセルが魔法を使えなくなったのって、いつからなのかしら?」
「それまで普通に使えていたのに、急に使えなくなったら悪意ある誰かが……ってことも考えられますよね」
「あの、そのことについて、私……一つ、心当たりがあります」
クロエがおずおずと手を上げた。
どういうこと? と視線で問うわたくしに、彼女はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「入学後すぐに、花祭りがありましたよね。そして、五人の花姫の一人がマーセルさまでした」
ああ、確かにあったわね、花祭り。
いろいろな花を咲かせて、その花を愛でる祭り。
ただ、花を咲かせる魔法は難しいから、適任者がいなければならなかった。
今年は五人も花を咲かせる人たちがいたのよね。
……その花姫の一人が、マーセルだった……?