【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「……そのままで良いわ」
「え?」
「テストも、白紙で出しなさい。カミラの成績を底に落として構わないわ」
わたくしの言葉に、三人が息を呑む。
ビスケットに手を伸ばして、口の中に入れて咀嚼して、飲み込んでからお茶を含んだ。
口の中の水分を奪うビスケットだからこそ、次に飲むお茶が美味しく感じるのよね。
「あまり得策には思えませんけれど……?」
「追試はわたくしが受けるわ。だから、その前に身体を戻したいの。ブレンさま、ご協力をお願いします」
すっと頭を下げると、マーセルも頭を下げた。わたくしにつられて、という感じだった。
「はぁ、まぁ、僕にできることでしたら……」
「では、まず半月でマーセルの魔法を使えるようにしていただきたいのですが」
「えっ!? わ、わりと性急ですね!?」
「ええ。パーティー前にはわたくしたちの身体、戻したいので。マーセル、貴女はどうして魔法が使えなくなったのか、心当たりはありまして?」
ふるふると首を横に振るマーセルに、クロエが昨日話していたことを伝える。
すると、彼女は「……あ」と、なにかを思い出したようにつぶやいた。
「え?」
「テストも、白紙で出しなさい。カミラの成績を底に落として構わないわ」
わたくしの言葉に、三人が息を呑む。
ビスケットに手を伸ばして、口の中に入れて咀嚼して、飲み込んでからお茶を含んだ。
口の中の水分を奪うビスケットだからこそ、次に飲むお茶が美味しく感じるのよね。
「あまり得策には思えませんけれど……?」
「追試はわたくしが受けるわ。だから、その前に身体を戻したいの。ブレンさま、ご協力をお願いします」
すっと頭を下げると、マーセルも頭を下げた。わたくしにつられて、という感じだった。
「はぁ、まぁ、僕にできることでしたら……」
「では、まず半月でマーセルの魔法を使えるようにしていただきたいのですが」
「えっ!? わ、わりと性急ですね!?」
「ええ。パーティー前にはわたくしたちの身体、戻したいので。マーセル、貴女はどうして魔法が使えなくなったのか、心当たりはありまして?」
ふるふると首を横に振るマーセルに、クロエが昨日話していたことを伝える。
すると、彼女は「……あ」と、なにかを思い出したようにつぶやいた。