【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
あのお方に褒められるということは、王宮でも通じるお茶を出せたということだから。
他の人たちを見ると、少しいたたまれなさそうに下を向いていた。
悔しいのよね、なにもできないと思っていたマーセルが、ルグラン公爵夫人に褒められて。
その悔しさ、自分を顧みることによって、成長に繋げてほしいところだけど……
「……あなたたちの本分は、なんでしょうか」
ルグラン公爵夫人が静かに問いかける。
わたくしたちの本分、それは――この学園で学び、成長し、未来へ羽ばたくこと。
少なくとも、一騎打ちで盛り上がることではないでしょうね……
ぱちっとルグラン公爵夫人と視線が合った。
「――今後を期待していますよ」
ルグラン公爵夫人は、そう言い残して教室から去っていった。お茶は、全部飲んでくれたみたい。
空になったカップを見て、先生が「あのルブラン公爵夫人がすべて飲んだ……!?」と驚いたことで、わたくし(というかマーセル)のお茶の腕はかなり上達したのだと、クラスメイトたちは認めるしかなかった。
他の人たちを見ると、少しいたたまれなさそうに下を向いていた。
悔しいのよね、なにもできないと思っていたマーセルが、ルグラン公爵夫人に褒められて。
その悔しさ、自分を顧みることによって、成長に繋げてほしいところだけど……
「……あなたたちの本分は、なんでしょうか」
ルグラン公爵夫人が静かに問いかける。
わたくしたちの本分、それは――この学園で学び、成長し、未来へ羽ばたくこと。
少なくとも、一騎打ちで盛り上がることではないでしょうね……
ぱちっとルグラン公爵夫人と視線が合った。
「――今後を期待していますよ」
ルグラン公爵夫人は、そう言い残して教室から去っていった。お茶は、全部飲んでくれたみたい。
空になったカップを見て、先生が「あのルブラン公爵夫人がすべて飲んだ……!?」と驚いたことで、わたくし(というかマーセル)のお茶の腕はかなり上達したのだと、クラスメイトたちは認めるしかなかった。