【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
マーセルの家へ。
そして、休日。
マーセルのご両親と会う日がきた。
……なんだか緊張してきたわ。とりあえず、寮には外泊許可も取っているから、遅くなっても大丈夫。
ゆっくりと深呼吸を数回繰り返して、マーセルの部屋から出た。
しっかりと鍵をかけて、待ち合わせ場所に足を進める。
「おはよう、マーセル嬢」
「おはようございますー」
「おはようございます、レグルスさま、ブレンさま」
スカートの裾を摘まんで、カーテシーをした。彼らの後ろには大きな馬車が一台。
レグルスさま、ブレンさま、クロエ、マーセル、それからわたくし。
五人が乗る馬車だから、大きなものを用意してくださったみたい。
数分後に、『カミラ』を連れたクロエがきた。……どうやってお母さまたちを説得したのかしら、彼女。感心していると、その視線に気付いたクロエがにこりと微笑む。
「おはようございます、みなさま。遅れてしまいましたか?」
「いいえ、五分前ですよー。では、行きましょうか、お嬢さま方」
ブレンさまがにこにこと人懐っこそうに笑いながら、馬車の扉を開けた。『カミラ』から馬車に入り、最後にレグルスさまが入り「出してくれ」と御者に合図を送った。
馬車が動き出し、……しんと静まり返った馬車の中、『カミラ』がそわそわしたように視線をあちこちに飛ばしている。
マーセルのご両親と会う日がきた。
……なんだか緊張してきたわ。とりあえず、寮には外泊許可も取っているから、遅くなっても大丈夫。
ゆっくりと深呼吸を数回繰り返して、マーセルの部屋から出た。
しっかりと鍵をかけて、待ち合わせ場所に足を進める。
「おはよう、マーセル嬢」
「おはようございますー」
「おはようございます、レグルスさま、ブレンさま」
スカートの裾を摘まんで、カーテシーをした。彼らの後ろには大きな馬車が一台。
レグルスさま、ブレンさま、クロエ、マーセル、それからわたくし。
五人が乗る馬車だから、大きなものを用意してくださったみたい。
数分後に、『カミラ』を連れたクロエがきた。……どうやってお母さまたちを説得したのかしら、彼女。感心していると、その視線に気付いたクロエがにこりと微笑む。
「おはようございます、みなさま。遅れてしまいましたか?」
「いいえ、五分前ですよー。では、行きましょうか、お嬢さま方」
ブレンさまがにこにこと人懐っこそうに笑いながら、馬車の扉を開けた。『カミラ』から馬車に入り、最後にレグルスさまが入り「出してくれ」と御者に合図を送った。
馬車が動き出し、……しんと静まり返った馬車の中、『カミラ』がそわそわしたように視線をあちこちに飛ばしている。