【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
そう言葉をつぶやいたのは、『カミラ』だった。びくっと肩を震わせて、血の気の引いた顔を彼女に見せた。
「……お母さまは、このことを知っているの? 今までずっと、私たちのことを騙していたの?」
……わたくしの顔でそんなに悲壮な顔をされると、なんだか不思議な感じがするわね。
「そもそも、どうしてわたくしたちはトレードされたのですか?」
マーセルの言葉に続くように、わたくしも言葉を紡ぐ。
わたくしたちの言葉遣いに違和感を覚えたのか、ノランさまの表情が段々と険しくなる。『マーセル』と『カミラ』を交互に見て「まさか……」と目を丸くした。
「いや、そんなことが起こるわけ……」
「その予想通りですわ、ノラン・カースティン男爵」
わたくしの言葉に、信じられないとばかりに勢いよく首を横に振る。
その気持ちはよくわかるわ。
マーセルとわたくしの中身が入れ替わる、なんて普通に考えれば信じられないことでしょう。
「……どこまで、知っていらっしゃるのですか?」
ぎゅっと拳を握り、ゆっくりと開いてから、ノランさまは小さな声をこぼす。その口調は娘に対するものではなく、『公爵令嬢』に対するものだった。
「あなたは、マーセルが学園でどんな扱いをされているか、ご存知ですか?」
「え?」
「……マーセル、話しても良いかしら?」
マーセルに尋ねると、彼女は小さくうなずいた。それを見て、一度深呼吸をしてから、学園でのことを話す。
その内容にノランさまはぐっと唇を噛み締め、うつむいてしまった。
「……お母さまは、このことを知っているの? 今までずっと、私たちのことを騙していたの?」
……わたくしの顔でそんなに悲壮な顔をされると、なんだか不思議な感じがするわね。
「そもそも、どうしてわたくしたちはトレードされたのですか?」
マーセルの言葉に続くように、わたくしも言葉を紡ぐ。
わたくしたちの言葉遣いに違和感を覚えたのか、ノランさまの表情が段々と険しくなる。『マーセル』と『カミラ』を交互に見て「まさか……」と目を丸くした。
「いや、そんなことが起こるわけ……」
「その予想通りですわ、ノラン・カースティン男爵」
わたくしの言葉に、信じられないとばかりに勢いよく首を横に振る。
その気持ちはよくわかるわ。
マーセルとわたくしの中身が入れ替わる、なんて普通に考えれば信じられないことでしょう。
「……どこまで、知っていらっしゃるのですか?」
ぎゅっと拳を握り、ゆっくりと開いてから、ノランさまは小さな声をこぼす。その口調は娘に対するものではなく、『公爵令嬢』に対するものだった。
「あなたは、マーセルが学園でどんな扱いをされているか、ご存知ですか?」
「え?」
「……マーセル、話しても良いかしら?」
マーセルに尋ねると、彼女は小さくうなずいた。それを見て、一度深呼吸をしてから、学園でのことを話す。
その内容にノランさまはぐっと唇を噛み締め、うつむいてしまった。