【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
ブレンさまがカースティン男爵家でのことを魔法で見せてくれたから、わたくしとマーセルの中身がトレードされていたことも理解したのだろう。お母さまはその場に崩れ落ち、お兄さまも呆然としていた。お父さまも顔を伏せ、「こんな、ことが……」と小さくつぶやく。
――実の娘にはできないことを、わたくしにはしていたのね。
「……陛下には、話してみよう」
「お願いします。わたくしはもうこれ以上……この国に、いたくありません」
それだけ、つらい日々を過ごしていた。
ぽんっと肩を叩かれて、弾かれたように顔を上げる。……わたくし、いつの間にかうつむいていたのね。
「リンブルグ王太子として、そしてただの『レグルス』として、俺は彼女を望んでいる。だからこそ、マティス殿下との婚約を白紙にしてもらう」
――優しい人。こんなわたくしを、まだ望んでくださる。
「どうして、カミラをそんなに……?」
お母さまの声が震えていた。まるで、信じられないとばかりに。
――実の娘にはできないことを、わたくしにはしていたのね。
「……陛下には、話してみよう」
「お願いします。わたくしはもうこれ以上……この国に、いたくありません」
それだけ、つらい日々を過ごしていた。
ぽんっと肩を叩かれて、弾かれたように顔を上げる。……わたくし、いつの間にかうつむいていたのね。
「リンブルグ王太子として、そしてただの『レグルス』として、俺は彼女を望んでいる。だからこそ、マティス殿下との婚約を白紙にしてもらう」
――優しい人。こんなわたくしを、まだ望んでくださる。
「どうして、カミラをそんなに……?」
お母さまの声が震えていた。まるで、信じられないとばかりに。