【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
 それは別に構わないの。残りの休日を使い、マーセルと二人きりで彼女に教え込み、魔術師学科のテストも無事にクリアした。ちなみにマーセルをいじめていた人たちは、彼女の後ろにわたくしがいると気付くと、なにもしなくなったみたい。

 マティス殿下ではなく、わたくしがいることでいじめがなくなるなんて、変な話よね。

 とはいえ、召使学科にいるのは伯爵家までの令嬢や令息だから、さすがに王族と公爵家の令嬢を相手にするのは不利だと思ったのかもしれないわ。

「さて、それでは……行きましょうか、マーセル」
「はい、カミラさま」

 これから学園のパーティーが始まる。

 わたくしとマーセルはこれから、ともにパーティー会場にいく。きっといろんな人たちの目を引くことになるでしょう。

 マーセルのドレスの色はクリームイエロー。彼女の髪色にぴったりだと思う。

 一騎打ちがあるけれど、おそらくマティス殿下もお揃いの色で登場するはず。これは、事前にマーセルに頼んでいたこと。

 婚約者であるわたくしではなく、マーセルとお揃いの色の服を着て、彼女の隣に並ぶでしょう。

 きっと、とても絵になる光景だわ。

 わたくしのドレスは髪色と正反対のラピスラズリの色。アクセサリーもラピスラズリのネックレスとイヤリングを身につけている。
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