【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
カミラの宣言。
それと同時に、マティス殿下が負けるなんて……という声もちらほらと聞こえる。レグルスさまに賭けていた人たちの喜びと、マティス殿下に賭けていた人たちの落胆ぶりが見えて、肩をすくめる。
マーセルがマティス殿下のもとに駆け寄っていくのを見て、わたくしもレグルスさまのもとへ近寄った。
「お疲れさまでした、レグルスさま」
「いやいや、ショーはまだこれからだろう?」
レグルスさまはパチンと片目を閉じる。
そう、ここからはわたくしの番。にこりと微笑みを浮かべて、うなずいてみせた。
「お二人とも、白熱の戦いでパーティー会場を盛り上げていただき、感謝します」
すっとカーテシーをして、会場内の注目を集める。
「白熱の一騎打ちを見せてくださった二人に、盛大な拍手を!」
顔を上げてから、率先して拍手を送ると、パーティー会場にいる人たちも拍手をしてくれた。
しばらく続いた拍手が止み、わたくしはマティス殿下とマーセルの前に立った。ここから先の展開で、どうなるのか、わたくしにもわからない。
でも――わたくしはもう、決断したの。
「マティス殿下。わたくし、すべてを知りましたわ。だから……」
一度言葉を切り、誰にも気付かれないように深呼吸を静かにしてから、口を開く。
マーセルがマティス殿下のもとに駆け寄っていくのを見て、わたくしもレグルスさまのもとへ近寄った。
「お疲れさまでした、レグルスさま」
「いやいや、ショーはまだこれからだろう?」
レグルスさまはパチンと片目を閉じる。
そう、ここからはわたくしの番。にこりと微笑みを浮かべて、うなずいてみせた。
「お二人とも、白熱の戦いでパーティー会場を盛り上げていただき、感謝します」
すっとカーテシーをして、会場内の注目を集める。
「白熱の一騎打ちを見せてくださった二人に、盛大な拍手を!」
顔を上げてから、率先して拍手を送ると、パーティー会場にいる人たちも拍手をしてくれた。
しばらく続いた拍手が止み、わたくしはマティス殿下とマーセルの前に立った。ここから先の展開で、どうなるのか、わたくしにもわからない。
でも――わたくしはもう、決断したの。
「マティス殿下。わたくし、すべてを知りましたわ。だから……」
一度言葉を切り、誰にも気付かれないように深呼吸を静かにしてから、口を開く。