【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「わたくし、カミラ・リンディ・ベネットは、マティス殿下との婚約を白紙にすることを、ここに宣言します!」
パーティー会場内に響くように、大きな声を出した。こんなに声を張り上げたこと、初めてだわ。
一瞬、静まり返ったパーティー会場内だったけれど、すぐにざわつき始めた。
それもそうよね。ずっとマティス殿下の婚約者として過ごしていたわたくしが、公衆の面前で婚約を白紙にすると宣言したのだから。
「……なにを、言って……」
マティス殿下はこれ以上ないほど目を見開き、それからふるふると肩を震わせた。
「理由はあなたが良く知っているはずですわ。それに――……」
そっとレグルスさまの隣に立ち、斬られた彼の頬に手を近付ける。
ぽわりと柔らかい光が彼の頬に触れると、すぅっと傷が癒えていく。そのことに気付いた人たちが、「神聖力……?」とつぶやいた。
神聖力を使えるのは、この国でオリヴィエさまたちの家系だけ。
つまり――わたくしは公爵家の令嬢ではないと、周りに見せつけることで、婚約を白紙にすることを思いついたのだ。
周囲の人たちは、ざわざわとわたくしたちのことを話している。
なぜわたくしが公爵家の人間として生きていたのか、勘の良い人はきっと気付いているでしょう。
さぁ、ショーはまだ終わらないわ。ここから、また、追撃をするの。
パーティー会場内に響くように、大きな声を出した。こんなに声を張り上げたこと、初めてだわ。
一瞬、静まり返ったパーティー会場内だったけれど、すぐにざわつき始めた。
それもそうよね。ずっとマティス殿下の婚約者として過ごしていたわたくしが、公衆の面前で婚約を白紙にすると宣言したのだから。
「……なにを、言って……」
マティス殿下はこれ以上ないほど目を見開き、それからふるふると肩を震わせた。
「理由はあなたが良く知っているはずですわ。それに――……」
そっとレグルスさまの隣に立ち、斬られた彼の頬に手を近付ける。
ぽわりと柔らかい光が彼の頬に触れると、すぅっと傷が癒えていく。そのことに気付いた人たちが、「神聖力……?」とつぶやいた。
神聖力を使えるのは、この国でオリヴィエさまたちの家系だけ。
つまり――わたくしは公爵家の令嬢ではないと、周りに見せつけることで、婚約を白紙にすることを思いついたのだ。
周囲の人たちは、ざわざわとわたくしたちのことを話している。
なぜわたくしが公爵家の人間として生きていたのか、勘の良い人はきっと気付いているでしょう。
さぁ、ショーはまだ終わらないわ。ここから、また、追撃をするの。