【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「前王陛下から頼まれていましたの。あなたがおかしなことをしたのなら、目覚めさせる必要があると――グラエル陛下。妻として、あなたのことを止める権利が、わたくしにはあるのです」
そう宣言するエセル王妃は美しかった。
「は、母上……?」
呆然としたまま、マティス殿下がつぶやく。
まさか、パーティーがこんなふうになるとは思わなかった。騎士たちが勢いよくグラエル陛下に向かっていく。
「レディ、バリアは張れるかい?」
「え? ええ……」
「じゃあ、みんなでバリア張っといてくれない? なんか、ちょっと面倒なことになりそうだから」
レグルスさまに問われて、こくりとうなずくとそんなことを言われて「え?」と聞き返した。でも、彼はずっと陛下を見ていて……いったいなにが起こるのかわからないけれど、胸の奥がざわついた。
「……レグルスさまは?」
「ちょっと助太刀に」
「気をつけてくださいねー。さて、カミラさま、マーセルさま、マティス殿下。魔法でバリアを張って、みなさんを守りましょうー」
にこり、と笑みを浮かべながらブレンさまがのんびりとした口調でわたくしたちを見渡す。
顔を見合わせてから、これは緊急事態なのだと考え、こくりとうなずいた。
そう宣言するエセル王妃は美しかった。
「は、母上……?」
呆然としたまま、マティス殿下がつぶやく。
まさか、パーティーがこんなふうになるとは思わなかった。騎士たちが勢いよくグラエル陛下に向かっていく。
「レディ、バリアは張れるかい?」
「え? ええ……」
「じゃあ、みんなでバリア張っといてくれない? なんか、ちょっと面倒なことになりそうだから」
レグルスさまに問われて、こくりとうなずくとそんなことを言われて「え?」と聞き返した。でも、彼はずっと陛下を見ていて……いったいなにが起こるのかわからないけれど、胸の奥がざわついた。
「……レグルスさまは?」
「ちょっと助太刀に」
「気をつけてくださいねー。さて、カミラさま、マーセルさま、マティス殿下。魔法でバリアを張って、みなさんを守りましょうー」
にこり、と笑みを浮かべながらブレンさまがのんびりとした口調でわたくしたちを見渡す。
顔を見合わせてから、これは緊急事態なのだと考え、こくりとうなずいた。