【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
わたくしの言葉に、レグルスさまが目を大きく見開いて、それから「そうだな」と柔らかい口調で言葉をこぼし、そっと手を取る。
「レグルスさま?」
「カミラ嬢の新しい人生に、祝福を」
手の甲に唇を落とすのを見て、顔に熱が集まった。貴族の挨拶として慣れているはずなのに……
好きな人にされると、こんなにも胸がときめくものなのね。
「レグルスさま。わたくし、あなたのことが――」
ふに、とレグルスさまの人差し指が、わたくしの唇に触れて言葉を止めた。
「それはまだ、言わないで。きちんとしたところで、俺から言いたいから」
パチンとウインクをされて、わたくしはくすくすと笑ってしまった。心の底から笑顔を浮かべられたのは、レグルスさまたちのおかげね。
そっと彼の手を取って、きゅっと握った。
きっとこれから、たくさんの大変なことが待っているでしょうけれど――……
公爵令嬢カミラ・リンディ・ベネットとではなく、ただの『カミラ』として、わたくしはわたくしの決断をしていくの。
ブレンさま、クロエ、そしてレグルスさまと一緒に考えて――その決断を、後悔しないように過ごしたい。
「リンブルグがどんなところなのか、楽しみですわ」
「真っ直ぐ向かうんじゃなくて、いろんなところに寄っていこう。自分の目で見て、手に取って感じることって大事だからね」
レグルスさまの言葉が胸の中に沁み込んでいく。わたくしのことを考えて、言ってくれているのがわかるから。
「そうですわね。いろんなことを、感じたいです」
みんなと一緒に。今までできなかったことを、していきたいと明るい声色で話すと、レグルスさまは相槌を打ちながらわたくしの話を聞いてくれた。
こんなふうに、目を見て話してくれる人が隣にいてくれるって、とても幸せなことよね。
――レグルスさま。わたくし、あなたに出逢えて良かった。
そう伝えられるのは、きっと、すぐ。
レグルスさまの瞳に確かな愛情を感じて、わたくしはこれからのことをたくさん話した。
「レグルスさま?」
「カミラ嬢の新しい人生に、祝福を」
手の甲に唇を落とすのを見て、顔に熱が集まった。貴族の挨拶として慣れているはずなのに……
好きな人にされると、こんなにも胸がときめくものなのね。
「レグルスさま。わたくし、あなたのことが――」
ふに、とレグルスさまの人差し指が、わたくしの唇に触れて言葉を止めた。
「それはまだ、言わないで。きちんとしたところで、俺から言いたいから」
パチンとウインクをされて、わたくしはくすくすと笑ってしまった。心の底から笑顔を浮かべられたのは、レグルスさまたちのおかげね。
そっと彼の手を取って、きゅっと握った。
きっとこれから、たくさんの大変なことが待っているでしょうけれど――……
公爵令嬢カミラ・リンディ・ベネットとではなく、ただの『カミラ』として、わたくしはわたくしの決断をしていくの。
ブレンさま、クロエ、そしてレグルスさまと一緒に考えて――その決断を、後悔しないように過ごしたい。
「リンブルグがどんなところなのか、楽しみですわ」
「真っ直ぐ向かうんじゃなくて、いろんなところに寄っていこう。自分の目で見て、手に取って感じることって大事だからね」
レグルスさまの言葉が胸の中に沁み込んでいく。わたくしのことを考えて、言ってくれているのがわかるから。
「そうですわね。いろんなことを、感じたいです」
みんなと一緒に。今までできなかったことを、していきたいと明るい声色で話すと、レグルスさまは相槌を打ちながらわたくしの話を聞いてくれた。
こんなふうに、目を見て話してくれる人が隣にいてくれるって、とても幸せなことよね。
――レグルスさま。わたくし、あなたに出逢えて良かった。
そう伝えられるのは、きっと、すぐ。
レグルスさまの瞳に確かな愛情を感じて、わたくしはこれからのことをたくさん話した。