【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「――喜んで」
「マーセル!?」
踊りたいようにマティス殿下が『マーセル』の名を呼ぶ。わたくしはこっそりとマティス殿下につぶやいた。
「マティス殿下と踊りたい令嬢は、たくさんいらっしゃいますわ。わたくしだけがマティス殿下を独占するわけにはいかないのです。……どうか、彼女たちのお心をご理解ください」
と言ってみた。彼はじーんとしたようにわたくしを見て、残念そうに眉を下げて、「わかった」と首を縦に振る。
実際マティス殿下と踊りたい人は、たくさんいたみたいで……彼がフリーになったら一気に令嬢たちが彼のもとに集まっていった。
わたくしはレグルスさまの手を取ってワルツを踊る。彼はリードするのが得意みたいで、びっくりするくらい踊りやすかったわ。
「今日の放課後、迎えにいくよ」
「ええ、お待ちしております」
レグルスさまは踊りながらそう口にした。わたくしが微笑んで答えると、興味深そうにわたくしを見る。それにしても、本当に踊りやすいわ。
「レグルスさまはワルツが得意ですの?」
「公爵家の人間だからね、叩きこまれただけさ」
「あら? 王太子……ですわよね?」
公爵家の人間? と疑問を抱いて言葉をこぼすと彼は少し考えるように唇を閉じてから、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「残念ながら陛下と王妃の間に子どもができなくてね。公爵家の人間の中から、俺が選ばれたの。で、陛下たちの養子に入るための条件が、この国で妃を見つけること」
……それは、また。どうしてこの国の人じゃないとダメなのかしら?
「マーセル!?」
踊りたいようにマティス殿下が『マーセル』の名を呼ぶ。わたくしはこっそりとマティス殿下につぶやいた。
「マティス殿下と踊りたい令嬢は、たくさんいらっしゃいますわ。わたくしだけがマティス殿下を独占するわけにはいかないのです。……どうか、彼女たちのお心をご理解ください」
と言ってみた。彼はじーんとしたようにわたくしを見て、残念そうに眉を下げて、「わかった」と首を縦に振る。
実際マティス殿下と踊りたい人は、たくさんいたみたいで……彼がフリーになったら一気に令嬢たちが彼のもとに集まっていった。
わたくしはレグルスさまの手を取ってワルツを踊る。彼はリードするのが得意みたいで、びっくりするくらい踊りやすかったわ。
「今日の放課後、迎えにいくよ」
「ええ、お待ちしております」
レグルスさまは踊りながらそう口にした。わたくしが微笑んで答えると、興味深そうにわたくしを見る。それにしても、本当に踊りやすいわ。
「レグルスさまはワルツが得意ですの?」
「公爵家の人間だからね、叩きこまれただけさ」
「あら? 王太子……ですわよね?」
公爵家の人間? と疑問を抱いて言葉をこぼすと彼は少し考えるように唇を閉じてから、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「残念ながら陛下と王妃の間に子どもができなくてね。公爵家の人間の中から、俺が選ばれたの。で、陛下たちの養子に入るための条件が、この国で妃を見つけること」
……それは、また。どうしてこの国の人じゃないとダメなのかしら?