【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
 なんのうなずきだったのかはわからないけれど、「俺の言った通りだったろう?」とブレンさまにレグルスさまが声をかけた。彼は足を組んでニヤリと口角を上げる。

「なるほど、確かに。この魂の清廉(せいれん)さは、レグルス殿下の好みですね」
「魂の清廉さ?」
「リンブルグの特徴でしょうか。魂の色が()えるのです。カミラさまの色は真っ白ですね。これはとても珍しいことです」

 思わず心臓の上に手を置いた。

 わたくしの魂の色が真っ白? クロエを見ると(いぶか)しむように眉間に皺を刻んでいた。珍しい魂の色ってどういうことなの……? そもそも、魂って色付くものなの……?

「ちなみにクロエさんは青い炎のように()えます。意欲があるんですね」
「た、魂占い……?」
「占い! 良い表現ですね!」

 楽しそうなブレンさまに、レグルスさまが肩を震わせて笑った。……なぜかしら、みんなで話していると、あれだけ暗い気持ちだったのかが嘘のように消えてしまった。

 くすくすと笑うわたくしに、クロエがほっと安堵したかのように息を吐く。

「王都に行こうと最初に提案したのは、どなたですか?」
「レグルスさまです。カミラさまを一人にするよりは、って」
「昨日の今日だからどうかとも思ったんだが……気になってな」

 ……やっぱりわたくしのことを心配してくれたのね。とてもありがたいことだわ。
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