【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「ブレンはこういうことに結構詳しいんだ」
「そうですの? では、わたくしたちが元に戻る方法をご存知ですか?」
「んー、もうひとりの方も視てみないとなんとも。なにか……不思議な縁で結ばれているように視えます」
わたくしがマーセルとどんな縁で結ばれているのか、知りたいような知りたくないような……。ブレンさまはどうして、そういうことがわかるのかしら? 不思議だわ。
「ブレンの家は代々魔術師でな。そういう関係の相談事が結構あるんだ」
「魔術で中身を入れ替えられるのですか?」
「はい。そういう魔術もありますが……。どちらかというと、呪いのようなもんでしょうね、これは」
隣に座っているクロエが目を丸くしながら尋ねた。
……呪われるようなことをした覚えがないのだけど……
でも、人はどこで恨みを買うかわからないものよね。『完璧な公爵令嬢』であるために努力し続けていたことを、面白く思わない人がいたのかもしれないわ。
……まぁ、元の身体に戻ったら、もうそんな努力をやめるつもり。
「……疑っていては、キリがなくてつらいわ……」
わたくしかマーセルか、それともわたくしたちか。
どれだけ考えても答えが出ないことは、考えないようにしましょう。
「ところで、本名を教えてくださいませんか?」
「カミラと申します」
ブレンがわたくしをじっと見て、小さくうなずいた。
「そうですの? では、わたくしたちが元に戻る方法をご存知ですか?」
「んー、もうひとりの方も視てみないとなんとも。なにか……不思議な縁で結ばれているように視えます」
わたくしがマーセルとどんな縁で結ばれているのか、知りたいような知りたくないような……。ブレンさまはどうして、そういうことがわかるのかしら? 不思議だわ。
「ブレンの家は代々魔術師でな。そういう関係の相談事が結構あるんだ」
「魔術で中身を入れ替えられるのですか?」
「はい。そういう魔術もありますが……。どちらかというと、呪いのようなもんでしょうね、これは」
隣に座っているクロエが目を丸くしながら尋ねた。
……呪われるようなことをした覚えがないのだけど……
でも、人はどこで恨みを買うかわからないものよね。『完璧な公爵令嬢』であるために努力し続けていたことを、面白く思わない人がいたのかもしれないわ。
……まぁ、元の身体に戻ったら、もうそんな努力をやめるつもり。
「……疑っていては、キリがなくてつらいわ……」
わたくしかマーセルか、それともわたくしたちか。
どれだけ考えても答えが出ないことは、考えないようにしましょう。
「ところで、本名を教えてくださいませんか?」
「カミラと申します」
ブレンがわたくしをじっと見て、小さくうなずいた。