【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「か……マーセルさま?」
「お二人は、ずっと前からのお知り合いなのですか?」
「幼馴染」
ちなみに、ブレンさまのほうが年上らしい。男性の年齢ってよくわからないわ。
「えっと、ではもしかしてブレンさまも貴族……?」
「あ、はい一応。伯爵家の出身です。とはいっても、僕は家を出ている身なので、あんまり関係ないんですけどねー」
さらっとすごいことを言っていない? わたくしとクロエがぽかんとしていると、レグルスさまが肩を震わせて笑う。
……というか、待って。陛下はなにを考えているの? 他国からの留学生であるレグルスさまと、護衛であるブレンさま。彼らを別々の学科に入れて……これは、リンブルクから苦情が来てもおかしくないことよ?
当の本人たちがなぜかあまり気にしていないのが……本当に謎なのだけど。
「……あの、良かったら、リンブルグのことを教えていただけませんか?」
「それじゃあ、カフェでも行きましょうか! 小腹も空きましたし!」
ちょっと待って、ブレンさま。まだ入るの!? わたくしたちがぎょっとしていると、レグルスさまが「ブレンの胃は底を知らないんだ」とおかしそうに教えてくれた。
クロエのブレンさまを見つめる瞳の輝きが増した。……興味深いのね。
「その前に、もう少しだけ雑貨を見てもいいかしら?」
「もちろんですよ、レディ」
他国の人にそう呼ばれるのは、なんだか気恥ずかしいわね。
とりあえず、雑貨店を見回っていると、一冊のノートが視界に入る。一冊手に取ってぱらりと捲ってみる。とてもシンプルなノート。シンプルだからこそ、飽きのこない作りなのかもしれない。
「お二人は、ずっと前からのお知り合いなのですか?」
「幼馴染」
ちなみに、ブレンさまのほうが年上らしい。男性の年齢ってよくわからないわ。
「えっと、ではもしかしてブレンさまも貴族……?」
「あ、はい一応。伯爵家の出身です。とはいっても、僕は家を出ている身なので、あんまり関係ないんですけどねー」
さらっとすごいことを言っていない? わたくしとクロエがぽかんとしていると、レグルスさまが肩を震わせて笑う。
……というか、待って。陛下はなにを考えているの? 他国からの留学生であるレグルスさまと、護衛であるブレンさま。彼らを別々の学科に入れて……これは、リンブルクから苦情が来てもおかしくないことよ?
当の本人たちがなぜかあまり気にしていないのが……本当に謎なのだけど。
「……あの、良かったら、リンブルグのことを教えていただけませんか?」
「それじゃあ、カフェでも行きましょうか! 小腹も空きましたし!」
ちょっと待って、ブレンさま。まだ入るの!? わたくしたちがぎょっとしていると、レグルスさまが「ブレンの胃は底を知らないんだ」とおかしそうに教えてくれた。
クロエのブレンさまを見つめる瞳の輝きが増した。……興味深いのね。
「その前に、もう少しだけ雑貨を見てもいいかしら?」
「もちろんですよ、レディ」
他国の人にそう呼ばれるのは、なんだか気恥ずかしいわね。
とりあえず、雑貨店を見回っていると、一冊のノートが視界に入る。一冊手に取ってぱらりと捲ってみる。とてもシンプルなノート。シンプルだからこそ、飽きのこない作りなのかもしれない。