【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
緩い……緩すぎる……!
興奮しているクロエに、その興奮を抑えてもらうため、コーヒーを勧めた。彼女はハッとした表情を浮かべて、大人しくコーヒーを口にする。
「……前に、公爵家の人間から王太子を選んだって……」
「陛下、兄弟多いんだよ……」
「まさかその中から押し付けら……選ばれるとは、レグルスさまも大変ですよねぇ」
注文していたガトーショコラが届いて、ブレンさまは嬉々として食べる。
なんというか、胸やけしないのかしらと少しハラハラする食べっぷり。でも、ここまでにこにこと美味しそうに食べられると、天晴と言いたくなるわね。
「大変なのはお前もだろー? 乳母兄妹ってだけで、俺の護衛なんだから」
二人が親しいのは、そういう理由もあったのね。
仲が良くて羨ましい。だって考えてみればわたくし、親しい友人がいないもの……
そりゃあお茶会に招待したり、招待されたりはあったけれど、それもすべてお母さまが決めていたから。
「それと、どうしてこの国の人を、妃にしなければいけないのですか?」
「リンブルグって他国から妃を迎えるのが風習なんだよね。で、今回はここにしようってことで。ちょうど留学の誘いがきていたし」
「……お待ちください。この国からリンブルグの王太子であるレグルスさまに、留学の誘いが?」
こくりとうなずくのを見て、わたくしは思わず額に手を置いて、重々しく息を吐いた。
レグルスさまたちに深々と頭を下げる。
「……前に、公爵家の人間から王太子を選んだって……」
「陛下、兄弟多いんだよ……」
「まさかその中から押し付けら……選ばれるとは、レグルスさまも大変ですよねぇ」
注文していたガトーショコラが届いて、ブレンさまは嬉々として食べる。
なんというか、胸やけしないのかしらと少しハラハラする食べっぷり。でも、ここまでにこにこと美味しそうに食べられると、天晴と言いたくなるわね。
「大変なのはお前もだろー? 乳母兄妹ってだけで、俺の護衛なんだから」
二人が親しいのは、そういう理由もあったのね。
仲が良くて羨ましい。だって考えてみればわたくし、親しい友人がいないもの……
そりゃあお茶会に招待したり、招待されたりはあったけれど、それもすべてお母さまが決めていたから。
「それと、どうしてこの国の人を、妃にしなければいけないのですか?」
「リンブルグって他国から妃を迎えるのが風習なんだよね。で、今回はここにしようってことで。ちょうど留学の誘いがきていたし」
「……お待ちください。この国からリンブルグの王太子であるレグルスさまに、留学の誘いが?」
こくりとうなずくのを見て、わたくしは思わず額に手を置いて、重々しく息を吐いた。
レグルスさまたちに深々と頭を下げる。