【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
マーセルは、マティス殿下と付き合う前からいじめられていたと言っていた。彼女の他にも男爵家の人はいる。それなのになぜ、マーセルだけが狙われたのか……
まさか近くにいたからとか、顔が気に入らないとか、そんなしょうもない理由ではないでしょうね?
思い返せば、マーセルに意地悪をしようと人も、嫌味を言ってきた人たち、すべて令嬢だった。
召使学科は伯爵令嬢までしか入れない。つまり、否応なしにトップは伯爵家の人。
令息たちはマーセルに興味を示しているようには見えなかったから、伯爵家の令嬢となにかがあった、と考えるのが自然かしら。
メイドも執事も待遇が良い公爵家か侯爵家、もしくは王城の職に就きたいって人がこの学科に集まるわけで……いろいろややこしいわね。頭が痛くなりそう。
今日は夕食を食べる気分にならないから、ちょっと掃除をしてから早めに休んじゃいましょう。休息も大事、よね。
わたくしは部屋の掃除を初めて――気付けば部屋がピカピカになるまでやってしまった。一度始めると気が済むまでやりたくなるのよ。
床が光っているように見えるし、窓もピカピカ。心地良い空間って最高だわ。それに――……なんといっても、レグルスさまからいただいた花がある。ふんわりと柔らかい、花の香りに心が癒されるきがした。
個人的に花をもらうのも、初めてだったかも。
ぼんやりと考えていると、扉がノックされた。
「はい?」
こんな時間に誰が? と思ったら、現れたのはクロエだった。彼女の手にはなにかが握られている。
まさか近くにいたからとか、顔が気に入らないとか、そんなしょうもない理由ではないでしょうね?
思い返せば、マーセルに意地悪をしようと人も、嫌味を言ってきた人たち、すべて令嬢だった。
召使学科は伯爵令嬢までしか入れない。つまり、否応なしにトップは伯爵家の人。
令息たちはマーセルに興味を示しているようには見えなかったから、伯爵家の令嬢となにかがあった、と考えるのが自然かしら。
メイドも執事も待遇が良い公爵家か侯爵家、もしくは王城の職に就きたいって人がこの学科に集まるわけで……いろいろややこしいわね。頭が痛くなりそう。
今日は夕食を食べる気分にならないから、ちょっと掃除をしてから早めに休んじゃいましょう。休息も大事、よね。
わたくしは部屋の掃除を初めて――気付けば部屋がピカピカになるまでやってしまった。一度始めると気が済むまでやりたくなるのよ。
床が光っているように見えるし、窓もピカピカ。心地良い空間って最高だわ。それに――……なんといっても、レグルスさまからいただいた花がある。ふんわりと柔らかい、花の香りに心が癒されるきがした。
個人的に花をもらうのも、初めてだったかも。
ぼんやりと考えていると、扉がノックされた。
「はい?」
こんな時間に誰が? と思ったら、現れたのはクロエだった。彼女の手にはなにかが握られている。