すべての想いは君とふたりで

すると、律樹さんは「花さんのご実家はどんな感じなんですか?」と訊いてきた。

「うちは、共働きなので、先に帰宅した方がご飯を作って、家事は分担しています。お風呂は大体先に父が入ることが多いですが、順番は特に決まっていません。落ち着いてからは、2人ソファーに並んで、バラエティ番組を見たり、たまにDVDを借りて来て一緒に見たりしていますよ。」

わたしがそう答えると、律樹さんは「ご両親、仲が良いんですね。」と驚いていた。

「まぁ、そうですね。仲は良いと思います。」
「うちの両親では考えられないです。2人並んでテレビを見るなんて、、、。」
「律樹さんは、もし結婚したら、どんな家庭を築きたいんですか?お互いの結婚観を知ることは、大切なことだと思います。」

わたしの言葉に「結婚観、、、。」と呟く律樹さん。

お父さんの言われた通りにしか生きてこなかったから、考えたことなんてなかったんだろうなぁ。

「あまり考えたことが無かったですけど、、、でも、花さんのご両親みたいな関係は素敵だと思いました。せっかく夫婦になるんだったら、仲良い方がいいですよね。」

律樹さんはそう言うと、新聞を畳み、テーブルの上に置くと、わたしが淹れた珈琲を飲んだ。

「そうですね、夫婦になったら死ぬまで一緒に居るわけで、誰よりも永い時間を一緒に過ごすわけですから、仲良い方が良いに決まってます。」
「花さんは、素敵な考え方をお持ちなんですね。気付かせていただいて、ありがとうございます。」

律樹さんはお父さんの影響で堅苦しい考えの中で生きてきたようだけど、でも素直で柔軟性のあるところもあり、わたしは少し安心した。

わたしたちはしばらくソファーに2人並んで座り、珈琲を飲みながらお互いの話をしていた。

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