すべての想いは君とふたりで
それから、わたしは大和の自宅で同棲するようになり、大和の会社の事務員として働くようになった。
「いやぁ〜、会社に女の人がいるっていいなぁ!華があるよな!」
そう言うのは翔くん。
大和は翔くんを睨みつけると、「お前、花に手出したら、、、どうなるか分かってるよなぁ?」と言った。
「わ、分かってますよ!大和さんの大事な人に手出すわけないじゃないですか!」
「お前ら、先に車行っとけ。」
大和がそう言うと、翔くんを含めた従業員の人たちが「へーい!」と言いながら、会社から出て行った。
「じゃあ、花。行ってくるわ。」
「うん、行ってらっしゃい。」
「何かあったら、すぐ電話してこいよ。」
「分かったよ。」
すると、大和はわたしの唇に短いキスをして、「行ってきます。」とヘルメットを片手に手を振った。
わたしも大和に手を振り返し、「行ってらっしゃい!」と言う。
会社の窓からみんなが乗り、翔くんが運転するハイエースを見送り、わたしは事務仕事についた。
律樹さんと一緒にいた時とは、真逆と言っていい程、忙しい毎日。
でも、大和のそばにいられるだけで、わたしは幸せだった。
自分の幸せは人に決められるものじゃない。
わたしは、律樹さんへの感謝を忘れず、今の幸せを噛み締めながら、パソコンへと向き合うのだった。
―END―