すべての想いは君とふたりで
すると、ずっとパパの隣で黙って話を聞いていたママが「パパ、、、もう認めてあげたら?」と言った。
「律樹さん、勝手に婚約の話を進めておいて、こんな形になってしまって、本当に申し訳ありません。」
ママがそう言って律樹さんに頭を下げると、律樹さんは「いえ。」と首を横に振った。
「短い期間でしたが、僕は花さんと一緒に過ごせて幸せでした。人を愛したことがない僕に愛する喜びを教えてくれたのは花さんです。花さんには、感謝しかありません。」
律樹さんはそう言うと、わたしの方を向き、「花さん。」と呼んだ。
「はい。」
「、、、幸せになってくださいね。」
そう言うと、律樹さんは立ち上がり、「それでは、僕はこれで失礼します。」と言い、最後に大和に「花さんのこと、任せました。」と言うと、一礼をして帰って行った。
しばらくリビングに沈黙が流れる。
すると、ずっと黙っていたパパが「花。」と、わたしを呼んだ。
「何かあったら、すぐに帰って来い。パパがこの男をボコボコにしてやるからな。」
「パパ、、、じゃあ、許してくれるの?」
「まだ認めるとまではいかないが、、、花を泣かせるようなことがあったら、許さないからな。」
パパは大和と目を合わせずにそう言った。
大和は「絶対に花さんを泣かせるようなことはしません。ありがとうございます。」と言うと、床に額をつくほど頭を下げた。
そして、わたしたちは顔を見合わせ微笑み合った。
律樹さんが居なければ、きっと許してもらえなかっただろう。
律樹さん、ありがとう、、、
わたしは、律樹さんが幸せになることを願うばかりだった。