距離感ゼロ 〜副社長と私の恋の攻防戦〜
「副社長……?」
小さな声が聞こえてきて、デスクでパソコンに向かっていた翔は顔を上げる。
ベッドに半身を起こした芹奈が、ぼんやりと辺りを見回していた。
「おはよう。目が覚めた?」
「はい。え、おはようって……。今、何時ですか?」
遮光カーテンを閉めている為、部屋の中は薄暗く外の景色も見えない。
「ん?今、朝の9時だよ」
「ええー、9時!?大変、仕事が!」
「あはは!今日は土曜日だよ。仕事は休み」
「え、あ、そうでしたね。あの、副社長。もしかして、私ずっとここで?」
不安そうに尋ねる芹奈に、翔は立ち上がってベッドに歩み寄り、芹奈のすぐそばに腰掛けた。
「夕べ、疲れて眠ってしまったんだ。起こしてうちまで送ろうかとも思ったんだけど、そのまま休ませてあげたくて」
そう言って右手を伸ばし、そっと芹奈の頬に触れる。
「ごめん、食事に誘ったりして。無理をさせたね。よく眠れた?」
「はい、おかげさまで。ご迷惑をおかけしました」
「とんでもない。俺も君のおかげでぐっすり眠れたよ。すぐに朝食を持って来てもらうから」
「ありがとうございます……?」
立ち上がって内線電話をかけに行く翔に頭を下げてから、ん?と芹奈は首をひねった。
(君のおかげで……、俺もぐっすり眠れた……?)
じっと自分の今いるベッドに目を落とすが、どう見てもダブルベッドでこれ一台しかない。
(はあ……。またしても添い寝したってことね)
服装は乱れていないから何もなかったことは確かだろうが、それにしてもなぜこう何度も?
(あれかな?新人の頃村尾くんと勉強会して、そのままうっかり机で寝ちゃったっていうのと同じ?私、よほど副社長に女として見られてないんだろうな)
そうか、だからこんなにも気軽にベッドで一夜を共にするのか。
そうに違いない。
(だって女として見てたら、何かしらあるもんね。何度も一緒のベッドにいて何もないんだもん。副社長にとって私は、抱き枕か、ミーアキャット?って、女どころか人間ですらない)
苦笑いを浮かべていると、電話を終えた翔が振り返った。
「朝食が来る前にシャワー浴びてきたら?」
「あ、はい。副社長は?」
「俺はもう済ませたから。どうぞごゆっくり」
「はい、ありがとうございます」
ようやく芹奈はベッドを下り、バスルームへと向かった。
小さな声が聞こえてきて、デスクでパソコンに向かっていた翔は顔を上げる。
ベッドに半身を起こした芹奈が、ぼんやりと辺りを見回していた。
「おはよう。目が覚めた?」
「はい。え、おはようって……。今、何時ですか?」
遮光カーテンを閉めている為、部屋の中は薄暗く外の景色も見えない。
「ん?今、朝の9時だよ」
「ええー、9時!?大変、仕事が!」
「あはは!今日は土曜日だよ。仕事は休み」
「え、あ、そうでしたね。あの、副社長。もしかして、私ずっとここで?」
不安そうに尋ねる芹奈に、翔は立ち上がってベッドに歩み寄り、芹奈のすぐそばに腰掛けた。
「夕べ、疲れて眠ってしまったんだ。起こしてうちまで送ろうかとも思ったんだけど、そのまま休ませてあげたくて」
そう言って右手を伸ばし、そっと芹奈の頬に触れる。
「ごめん、食事に誘ったりして。無理をさせたね。よく眠れた?」
「はい、おかげさまで。ご迷惑をおかけしました」
「とんでもない。俺も君のおかげでぐっすり眠れたよ。すぐに朝食を持って来てもらうから」
「ありがとうございます……?」
立ち上がって内線電話をかけに行く翔に頭を下げてから、ん?と芹奈は首をひねった。
(君のおかげで……、俺もぐっすり眠れた……?)
じっと自分の今いるベッドに目を落とすが、どう見てもダブルベッドでこれ一台しかない。
(はあ……。またしても添い寝したってことね)
服装は乱れていないから何もなかったことは確かだろうが、それにしてもなぜこう何度も?
(あれかな?新人の頃村尾くんと勉強会して、そのままうっかり机で寝ちゃったっていうのと同じ?私、よほど副社長に女として見られてないんだろうな)
そうか、だからこんなにも気軽にベッドで一夜を共にするのか。
そうに違いない。
(だって女として見てたら、何かしらあるもんね。何度も一緒のベッドにいて何もないんだもん。副社長にとって私は、抱き枕か、ミーアキャット?って、女どころか人間ですらない)
苦笑いを浮かべていると、電話を終えた翔が振り返った。
「朝食が来る前にシャワー浴びてきたら?」
「あ、はい。副社長は?」
「俺はもう済ませたから。どうぞごゆっくり」
「はい、ありがとうございます」
ようやく芹奈はベッドを下り、バスルームへと向かった。