パーフェクト・フィグ
「…」
雅俊は、ぎこちないながらも、
すみれの頭に手を乗せた。
そして、頬まで優しく撫でると、
柔らかい感触に触れた。
こんなにも熱いのは、
すみれの熱のせいだろうか。
それとも、自分の手が、
熱を帯びているのだろうか。
いつもより少しばかり早い鼓動には、
もう抗わないことにした。
こんな気持ちは、いつぶりだろう。
すみれの微かな寝息が
はっきりと聞こえるほど、
寝室は静けさに包まれていた。
今思えば、すみれも雅俊も、
ずっとアラーム音が鳴り響く、
騒々しいところにいた。
こんな静かな場所にいるのが、
随分と久々に感じた。
長い一日だった。
雅俊はすみれの細い腕を布団の中にしまって、
もう一度その頭に手を伸ばした。
が、寸でのところで留まると、
すみれの目元に浮かんだ雫を救い上げた。
そしてそのまま立ち上がると、
自分の寝室を出て静かにドアを閉めた。