パーフェクト・フィグ




恐らく日本に戻ってきて
初めての休日を終えたすみれは、
18時間の睡眠ですっかり軽くなった足取りで
病院の医局に向かった。

今なら明るい挨拶の一つもできそうだ、
なんて思いで廊下を進む。

だが、ドアノブに手をかけたところで、
妙な違和感にその手を止めた。

すみれはドアにそっと耳を当てる。

それから数秒待って目を閉じると、
今度は勢いよくドアを開けた。

部屋には、誰一人いない。

明かりやパソコンの電源はついており、
先程まで当直医がいたであろう痕跡がある。

すみれは光っていたパソコンに駆け寄り、
開かれていたカルテを覗いた。

スクロールとクリックを繰り返す。


「…ッ‼」


それから勢いよく部屋を飛び出した。



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