パーフェクト・フィグ
とりあえず道沿いに並ぶブランド店を
手あたり次第入ってみる。
どの店も共通して言えることは、
真冬のような恰好をするすみれが
場違いに思えていることだろう。
涼しくなってきたとはいえ、
日差しが照り付ければまだまだ半袖の気温だ。
だが、すみれは既に首回りも見えない程の
厚手の上着とマフラーに包まれていた。
「これなんてどうかな」
すみれが手にするネクタイは
どれも奇抜なデザインばかりだった。
「もう少しシンプルなのがいい」
「それは君の好みでしょ?
きっと後輩くんはこういうのが好きだよ」
「誰かも知らないのによくその台詞が言えるな」
「あ、こっちは?」
孔雀を思わせる彩りが、潤に似合うとは思えない。
「…お前、シンプルの意味知ってるか?」
「え、これダメ?」
「却下」
「こっちは?」
「却下」
「文句ばっかり」
「うるさい」