パーフェクト・フィグ
それから小走りに戻ってきた。
雅俊は立ち上がって、
すみれを見下ろして言った。
「俺も、理念やら権威やらに
縛られるのがいやで
フリーになった身だ。
だから…」
「だから?」
あまりに真っすぐ見上げてくるので、
雅俊は居心地が悪くなった。
避けて離れようとするのを、
すみれが立ち塞ぐ。
「だから、なに?」
雅俊は諦めて
もう一度すみれを見た。
「だから…
お前の気持ちは、よくわかる」
「…!」
窓から差し込む月光に、
2人の影が大きく伸びる。
早く暗闇に消えたい。
雅俊がそう思っても、
すみれはそれを許さなかった。
「監視付き、束縛宣言」
「…」
「…」
「…なに言ってんだ、お前」
雅俊はすみれの額を押して
さっさとその場を後にした。