青の葉の、向かう明日。
彼の右手が悪戯して、私はあっという間に彼の体温に密着してしまった。

温かい、というより、熱い。

なに、これ…?

こんな感覚初めて過ぎて理解出来ない。

脳内の処理が追いつかない。

とパニックになり、混乱して目を瞑ることしか出来ない私に言の葉は優しく舞い降りる。


「理由、なんて、たったひとつしかない」


ぎゅうっと力強く抱き締められる。

苦しい。

けど…

その言葉の先を

聞きたい。


「…好き、だから。ありすのことが…ずっと、大好き」


ーー好き。

ーー大好き。


そんなこと、初めて言われたよ。

だって私、彼のことも一方的に好きだっただけで、

彼が私に好きって言ってくれたことなかったから。

こんなの、反則だ。

ダメ…だよ。

甘やかし過ぎ。

優し過ぎ。

こんなんじゃ私…

どんどんダメな子になってしまう。

それに、

どんどん…


「有…?」
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