青の葉の、向かう明日。
「行くなっ!」


海の声を掻き消す大声が鼓膜を震わせ、あたしの足は途端に硬直し、動かなくなった。

あたしの身体…どこ?

全然感覚がない。

波を掻き分けて進む音が次第に大きくなる。

なのに、あたしの意識は遠退いていく。

このまま…眠ってもいいかな?

ごめんね。

あたし…


「深沢!しっかりしろ!」


誰かがあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。

意識が朦朧としてきて誰かは分からない。

けど、最期に言いたいことを思いついたから言わせて欲しい。

生きていて良かったって思えたことがちょっとだけ、あった。

それは…


「月…きれい、だった」

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