王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する~
 城に戻り、ぼーっとしていると、妻が帰ってきた。

 ……あれ?
 さっきこの部屋に戻った時は明るかったのに、もうすっかり暗くなっている…?

 椅子に腰掛けたまま、いったい何時間過ごしてしまったのだろう。

「おか、えり…」

力なく呟く僕の前に、妻が立った。

「もう、帰ってからずっとこうしていたの?」

「……うん……」

「バカね」

 そういうと、彼女は僕を優しく抱きしめた。

 座っている僕の顔に、彼女のお腹が触れる。

 僕も、彼女の背中に手をまわした。
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