落ちこぼれ悪魔の扱い方
「私ね」と美弥は呟く。
「親父のこと嫌いじゃなくなるのが、ものすごく怖かった。記憶が戻ってくるのも。
だってもし親父がいた頃の記憶が幸せにあふれてたら、多分、親父失ったことに耐えられないから。
『どうせ不幸になるんだったら、最初から幸せなんて知らない方がよかった』なんて、ドラマとか漫画とかでよく見る台詞でしょ?
私もそれだったの」
声に出しながら、美弥は過去の自分の気持ちを整理する。
「一人暮らししてるのも、だからだよ。拒否されたってのは便宜上の理由。
本家には仏壇があるし、叔父さんは親父と一卵性の双子だし、そんな場所にいたらいつか親父のこと思い出しちゃうかもしれないから。だから逃げてきた」
親から逃げるとか家出みたいだよね、と笑いかけても、与崎は何も言わない。
真剣な表情を浮かべたまま、ひたすら美弥の言葉を待っていた。
「親父のことは全部思い出したけど、それが良かったのか悪かったのかはまだ分かんない。実感が沸いてない部分もあるし」
「親父のこと嫌いじゃなくなるのが、ものすごく怖かった。記憶が戻ってくるのも。
だってもし親父がいた頃の記憶が幸せにあふれてたら、多分、親父失ったことに耐えられないから。
『どうせ不幸になるんだったら、最初から幸せなんて知らない方がよかった』なんて、ドラマとか漫画とかでよく見る台詞でしょ?
私もそれだったの」
声に出しながら、美弥は過去の自分の気持ちを整理する。
「一人暮らししてるのも、だからだよ。拒否されたってのは便宜上の理由。
本家には仏壇があるし、叔父さんは親父と一卵性の双子だし、そんな場所にいたらいつか親父のこと思い出しちゃうかもしれないから。だから逃げてきた」
親から逃げるとか家出みたいだよね、と笑いかけても、与崎は何も言わない。
真剣な表情を浮かべたまま、ひたすら美弥の言葉を待っていた。
「親父のことは全部思い出したけど、それが良かったのか悪かったのかはまだ分かんない。実感が沸いてない部分もあるし」