落ちこぼれ悪魔の扱い方
「遠慮しときます」

「えー、残念」

咲子はがっかりしていたが、こればかりはフォローできない。


看病してくれたのが与崎でよかった。

適度に放っておいてくれたおかげで、随分と気が休まった。


美弥は「そうそう、親戚といえば」とさりげなく話題を変えた。


「咲子のおかげで、何とか誤解も解けたよ。ありがとう」

咲子は一瞬何のことか分からなかったようだが、すぐに思い当たったらしく両手をパンッと合わせる。

「ああ、あのアドバイスのことね!」

「そうそう。咲子に言われた通り、あらたまって話してみたんだ」

美弥は「やっぱり会話って大事だね」と笑う。


「結構距離が縮まった感じもしたわ。まあ、仲良くなったところで出張終わっちゃえばもう接点ないんだけどね」

「そっかそっか。そんな美弥ちゃんに……これ、あげる!」

咲子はゴソゴソと鞄の中を漁り、二枚の紙片のようなものを美弥に差し出した。


「何これ。何かのチケット?」

「うん、博物館のペアチケット。友だちと行く予定だったんだけど、私この日用事ができちゃったの」


美弥はチケットを手に取って眺める。

確かに隣町の博物館のものだった。
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